平田かほる(ひらたかほる)

  <勝手に代表作>

  3部ゲゲゲの鬼太郎(作画監督)
  ユンカース・カム・ヒア(原画)
  風と木の詩(原画)
  イーハトーブ幻想〜KENjIの春(原画)
  メトロポリス(原画)
  学園戦記ムリョウ(原画)

               その他多数(マッド中心)


■3部ゲゲゲの鬼太郎/担当話表

#33 妖怪あかなめ哀しみの逆襲
#40 富士山大噴火!?妖怪大首
#47 妖怪のびあがりと吸血木
#55 マル秘指令!ネズミ男は死刑だ
#63 悪魔ブエルとヤカンズル
#71 妖花の森のがしゃどくろ
#81 コンビ妖怪手長足長
#89 木の子と妖怪山天狗
#95 笑い妖怪ヘンラヘラヘラ
#100 鬼巫女の鬼太郎抹殺作戦!!

■補足■
#04 妖怪ぬらりひょん
#12 ざしきわらしと笠地蔵
#19 ゆめ妖怪まくらかえし
#26 おばけナイター

上記の山本福雄氏作監担当回で原画担当
その後作監を引き継ぎ、更に宮澤氏へと
バトンタッチ(山本→平田→宮澤)


#71「妖花の森のがしゃどくろ」より模写(左図)
#95「笑い妖怪ヘンラヘラヘラ」より模写(右図)↑


(上)#47「妖怪のびあがりと吸血木」より模写 この官能的異形美!
(左)#89「木の子と妖怪山天狗」より模写 鼻がアレでも清楚です


怪奇!タコ少女!!!...............................↑うわ-ついでに何だこりゃ
#81「コンビ妖怪手長足長」より模写

<平田鬼太郎(日本的耽美・異形の名手)>

静かなる実力派・平田さんの作画を見ていると、その
丁寧な仕上がりとデッサンの確かさからとても几帳面な
印象を受けます。手は早い方ではないけれど、一枚一枚
しっかりと描いていく---人物作画は後期に移行するにつれ
影指定の少ない淡白な上がりになりますが、影指定に頼らず
「線」だけで見せる事が出来るとは、うらやましい限りです。


日本的耽美・叙情的鬼太郎---賑やかな3部にはおよそ程遠い
これらのイメージをさらりとこなしたのが平田鬼太郎でした。
「静かで動じない」「内に秘めた香り」「華麗なる戦闘」・・・
その常に冷静な、そして一糸乱れぬたおやかさが生み出した
独自の色気は、正に日本的官能と称するにふさわしい非常に
「秘匿感」のある、清楚と隣り合わせの奥ゆかしいものでした。

それは、大正・昭和活劇の挿し絵などで触れることが出来た
「紅顔の美少年」に通じる高貴で気高い香りです。
もうあえて言い切ってしまえば、平田鬼太郎はまちがいなく
日本伝統を(無意識に)踏襲した「日本的美少年」でした。


その一方で、そんな踏襲など打破してしまうかの様な数々の
「異形」をも、この気高い鬼太郎はこなしてくれました。

清楚で冷静なだけに、その姿が「異形」に犯された時の
衝撃たるや凄まじく、正に「禁忌」を目にした時の様な
気まずさと官能と畏怖と、少しの高揚を感じてしまいます。

〜心の芯がざわつく
〜見てはいけないものを見てしまった

そしてもう引き返せなくなってしまう 
そんな禁断の世界の淵をさりげなく覗かせてしまった、
平田鬼太郎はまさに罪な「異形の名手」なのです。

#12「ざしきわらしと笠地蔵」より模写
平田さんが原画を描いていた山本福雄作監の
鬼太郎。いわば平田鬼太郎の前身でしょうか
派手さはないですがとても良い仕事してます

#107「ケムリ妖怪えんらえんら」より模写
そして平田鬼太郎の後を引き継いだ原画マン
宮澤クンの鬼太郎。宮澤鬼太郎のポイントは
何といってもこの決めポーズ!

平田鬼太郎の清廉なイメージを確たる
ものとした要因に、演出家今沢哲男氏の
存在があります。その独特の「静」的演出
方法は山本福雄作監から平田さんへと継承
され、しんと張りつめた能舞台を見ている
ような、ある種の美学を感じさせます。

一転、後期に入って新たに演出に加わった
岡崎 稔氏演出担当回の平田作画の大胆
さには、見事な「動」的魅力も相まって
その豹変ぶりに度肝を抜かれてしまいます。
特に#71「妖花の森のがしゃどくろ」の
戦闘シーンはAパートBパート共に非常に
見応えのある「新境地」と言えるでしょう。

「静」と「動」を見事にあやつり
「伝統」と「異形」の間を行き来する

そんなパラドックスなところも
平田鬼太郎の魅力なのかも知れません。

#81「コンビ妖怪手長足長」より模写
やめてやめて!この○○!平田鬼太郎に何と乱暴な!

#100「鬼巫女の鬼太郎抹殺作戦!!」より模写
平田さんの本気!この妖艶さはただ者ではありませぬ
このお色気鬼太郎封印絵馬を巡ってみんな大変でした

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