<勝手に代表作> 3部ゲゲゲの鬼太郎(作画監督) |
#33 妖怪あかなめ哀しみの逆襲 ■補足■ 上記の山本福雄氏作監担当回で原画担当 |
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(上)#47「妖怪のびあがりと吸血木」より模写 この官能的異形美! (左)#89「木の子と妖怪山天狗」より模写 鼻がアレでも清楚です 怪奇!タコ少女!!!...............................↑うわ-ついでに何だこりゃ #81「コンビ妖怪手長足長」より模写 |
丁寧な仕上がりとデッサンの確かさからとても几帳面な 印象を受けます。手は早い方ではないけれど、一枚一枚 しっかりと描いていく---人物作画は後期に移行するにつれ 影指定の少ない淡白な上がりになりますが、影指定に頼らず 「線」だけで見せる事が出来るとは、うらやましい限りです。 日本的耽美・叙情的鬼太郎---賑やかな3部にはおよそ程遠い これらのイメージをさらりとこなしたのが平田鬼太郎でした。 「静かで動じない」「内に秘めた香り」「華麗なる戦闘」・・・ その常に冷静な、そして一糸乱れぬたおやかさが生み出した 独自の色気は、正に日本的官能と称するにふさわしい非常に 「秘匿感」のある、清楚と隣り合わせの奥ゆかしいものでした。 「紅顔の美少年」に通じる高貴で気高い香りです。 もうあえて言い切ってしまえば、平田鬼太郎はまちがいなく 日本伝統を(無意識に)踏襲した「日本的美少年」でした。 その一方で、そんな踏襲など打破してしまうかの様な数々の 「異形」をも、この気高い鬼太郎はこなしてくれました。 衝撃たるや凄まじく、正に「禁忌」を目にした時の様な 気まずさと官能と畏怖と、少しの高揚を感じてしまいます。 〜見てはいけないものを見てしまった そんな禁断の世界の淵をさりげなく覗かせてしまった、 平田鬼太郎はまさに罪な「異形の名手」なのです。 |
#12「ざしきわらしと笠地蔵」より模写 平田さんが原画を描いていた山本福雄作監の 鬼太郎。いわば平田鬼太郎の前身でしょうか 派手さはないですがとても良い仕事してます #107「ケムリ妖怪えんらえんら」より模写 そして平田鬼太郎の後を引き継いだ原画マン 宮澤クンの鬼太郎。宮澤鬼太郎のポイントは 何といってもこの決めポーズ! |
ものとした要因に、演出家今沢哲男氏の 存在があります。その独特の「静」的演出 方法は山本福雄作監から平田さんへと継承 され、しんと張りつめた能舞台を見ている ような、ある種の美学を感じさせます。 岡崎 稔氏演出担当回の平田作画の大胆 さには、見事な「動」的魅力も相まって その豹変ぶりに度肝を抜かれてしまいます。 特に#71「妖花の森のがしゃどくろ」の 戦闘シーンはAパートBパート共に非常に 見応えのある「新境地」と言えるでしょう。 「伝統」と「異形」の間を行き来する そんなパラドックスなところも 平田鬼太郎の魅力なのかも知れません。 |
#81「コンビ妖怪手長足長」より模写 |